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「NPOのスタッフって給料もらっていいの?ボランティアじゃないの?」――弁護士がお答えします!

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「NPOのスタッフって給料もらっていいの?ボランティアじゃないの?」――弁護士がお答えします!

テレビや新聞でよく見たり耳にするようになった「NPO」という言葉。一般の人々からは「たしか非営利の団体だよね」とか「ボランティア団体のことでしょ」といったイメージを持たれていることが多いようだが、実は、現在日本でNPOと言うとNPO法人(正式には「特定非営利活動法人」と言う)を指すことが多く、れっきとした「法人」である。
ところが「非営利」という言葉のイメージが強いため、NPOのスタッフは全員無給のボランティアで活動しているのではないかという誤解が、広く生じてしまっている。「教えて!goo」にも、次のような素朴な疑問が寄せられていた。

NPOでお給料……どうして?

質問者は、NPOに所属している知人が給料をもらっている事に疑問を感じ、どういうことなのか教えて欲しいと回答を募っている。

■スタッフのうち職員は給料あり

この質問に対し、多くの方から、わかりやすい説明の回答が寄せられた。

「NPOと言ってもその形態も様々なので何とも言えませんが、おそらく、事務を行っている人のほとんどは給料を受け取っているのではないかと思われます」(slotter-santaさん)

「沢山のボランティアを使う場合、業種の振り分け、募集、終業時間や交代要員の調整、参加者の保険関係の処理…非常に雑多な事務が出来てきます。(中略)…そういうのを本格的に引き受けてこなしてくれる人材が不可欠になります」(myeyesonlyさん)

「NPOは、無償ボランティアの団体ではないのです。特定非営利活動団体なのです。ですから当然、活動に必要な職員は、お給料をだして雇用することになります」(mint_65#2さん)

ここで重要なのは、「NPOのスタッフ」と言った場合に、そこには、主に一般から募集される「ボランティアスタッフ」と、法人との労働契約が締結されている「職員」との2種類があるということである。
「ボランティアスタッフ」の場合には、有償ボランティアであれ無償ボランティアであれ、労働契約が締結されているわけではないので、労働法上での賃金支払い義務は生じない。しかし、「職員」の場合には、一般の企業と同様に労働法上の保護を受け、当然のことながら最低賃金以上の賃金支払い義務が生じる。
すなわち、NPOは職員に給与を支払わなければならないのである。

■名目だけのボランティアはダメ!

NPOの職員が有給である理由は上述した通りだが、では、ボランティアスタッフに職員同様の運営事務を担わせた場合には、賃金を支払わなくても良いのだろうか。

実際、NPOの中には、職員と同等レベルの事務作業をボランティアスタッフに担わせているケースや、職員の時間外勤務分のみをボランティアとしてしまい、残業代を支払わないケースも存在する。この点を、加塚法律事務所の加塚裕師弁護士に伺ってみた。

「労働時間の就労を『ボランティア』としている場合、それが単なる名目であれば、やはり賃金の支払義務は免れないと考えます。この点、賃金の支払義務の対象となる労働時間とは、労働者の行為が使用者の指揮命令下におかれたものと評価することができるか否かにより客観的に判断されるものとされています。したがって、名目がボランティアであっても、事実上就労が使用者から義務づけられており、使用者の指揮命令下におかれているような場合には、賃金の支払義務が発生することになります」

職員と同じ就労環境であれば、名目上のボランティアは成り立たないということである。やはり、この点でも、就労とボランティアの違いは明確に意識しておく必要がある。

NPOは「非営利」という性質と「法人」という性質の両方を持つため、活動や運営に無償性と対価性の双方が混在することが多く、これが誤解を招く一因と考えられる。できれば、世の中に「NPOの職員」という職業があり、企業の社員と同様にきちんと給与を受け取っているということが、広く社会から理解されたいものである。

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引用元:http://news.ameba.jp/20150428-269/
引用サイト:logo_nikkanameba

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