日産スタジアムではボランティアの方々が活動しています。マリノス戦やイベントで運営を支える彼らの活躍を取材して下さい。(山下公園のカモメさんのキニナル)
日産スタジアムでは「横浜F・マリノス サポートスタッフ」と「日産スタジアムボランティア」が活動。それが新たなファンの獲得に結び付いている。
2015(平成27)年5月30日に行われたJリーグ第14節。4連勝と波に乗り、1stステージ4位につけている横浜F・マリノスの対戦相手は、得失点差で1つ上の順位をいくガンバ大阪であった。
無敗で首位を走る浦和レッズを追うためには、どちらにとっても負けられない重要な一戦だ。それをサポーターも感じ取っていたのだろう。この日、試合会場となる日産スタジアムには、3万5044人ものサポーターが詰めかけた。
1stステージの行方を左右する重要な一戦が幕を開ける (C)Y.F.M
午後7時のキックオフから、さかのぼること4時間半前。クラブを応援するサポーターとは別の方法で、横浜F・マリノスを支える人たちも動き始めていた。それこそ「横浜F・マリノス サポートスタッフ」に所属するボランティアの方々だ。
試合会場の日産スタジアム
横浜F・マリノスのホームゲームを支えるボランティアは「日産スタジアムボランティア」と「横浜F・マリノス サポートスタッフ」がある。
「日産スタジアムボランティア」は日産スタジアムでサッカー以外の競技でもボランティア活動を行っている。一方、横浜F・マリノス主催の「横浜F・マリノス サポートスタッフ」は、主にホームゲーム開催時に活動を実施。「スタジアムからホームタウン全体に笑顔の輪を広げる」ことを目的に活動中だ。
今回は「横浜F・マリノス サポートスタッフ」に1日密着し、クラブが主催するボランティア活動を紹介したい。
横浜F・マリノス サポートスタッフとは?
「横浜F・マリノス サポートスタッフを設立したのは2010(平成22)年です。クラブではサッカー観戦だけではなく、スタジアムに遊び来ること自体を楽しんでほしいと考えていますが、クラブの職員だけでは活動に限界があるのも事実。そこで力を貸してくれるボランティアを募り、サポートスタッフの制度を作りました」
このように「横浜F・マリノス サポートスタッフ」の設立について説明してくれたのは、横浜マリノス事業本部の永井紘(ながい・ひろし)さんだ。
サポートスタッフをまとめる永井さん
「サポートスタッフの活動は3つあります。ホームゲームでの試合運営・クラブ主催イベントのサポート・そしてホームタウン活動です。ホームゲーム開催時は、日産スタジアムの東ゲート前噴水広場に設けられる『トリコロールランド』の運営などをサポートしています」
ホームゲーム当日のトリコロールランドでは多くのイベントがあり、飲食ブースなども出店され大変な盛り上がりを見せる。「横浜F・マリノス サポートスタッフ」は、そこに設営されるアトラクションの運営サポートや来場者向けのインフォメーション業務などを担う。
トリコロールランドが設営される東ゲート前噴水広場 (C)Y.F.M
「登録しているスタッフは約100名います。キッカケはF・マリノスが好きだったり、ボランティアに興味があったりとさまざまです。18歳から70歳を超える方まで幅広い年齢層構成になっています」
日産スタジアムで運営しているボランティア団体だけではなく、クラブとしてチームを盛り上げる活動に取り組むことも重要だ。それがチームを愛する方や、献身的な姿勢を持っている方であるのは心強いだろう。
「みんな活動を良くしていこうと真剣です。スタッフはサポーター目線も持っているので、チームの活動に現場の声も反映しやすくなります。スタジアムでの体験を通して、もっと多くの方に横浜F・マリノスを好きになってもらいたいですね」
密着開始!
それでは横浜F・マリノス サポートスタッフは、実際にどのような活動を行っているのだろうか。筆者もサポートスタッフのユニフォームを借りて、1日密着取材をさせていただくことにした。
横浜F・マリノス サポートスタッフの密着取材開始
まずは1日のスケジュールを確認しておこう。
1日のタイムスケジュール
午後2時30分のミーティングから始まり、トリコロールランドの運営サポートを経て、大体午後7時40分ごろに終わる。
この日、集まったサポートスタッフの方は21名。控室に全メンバーがそろうと、早速全体ミーティングが始まった。
ミーティングが始まった瞬間、みなさんの顔つきが変わる
永井さんが司会となり、1日のスケジュールの説明などが行われる。
参加メンバーは毎回同じではないので、前回の「反省ミーティング」で出た意見と改善案も共有される。
「遊具の終了時間が明確でないため、利用者に迷惑がかかることもありました」などの意見が挙がる場面もある。当事者意識が高く、実際にみんなで活動を良くしていこうとする真剣な姿勢を感じた。
続いて、各部門に分かれてミーティングをする。
部門ごとのミーティングも真剣そのもの
部門は5つあり、トリコロールランドで運営をサポートする「射的」「ボールプール」「(マリノスケ)ふぁふぁ」の3つのアトラクションと来場者向けのインフォメーション業務、そしてサポートスタッフを当日まとめる事務局である。
部門ごとのミーティングが終わると、全体朝礼のためスタジアムへ移動する。
選手も使う階段を使ってピッチにむかう
誰もいないスタジアムを見ると改めて広さが分かる
この日、日産スタジアムで試合の運営に携わるスタッフは約1000名いる。参加するボランティア団体は「横浜F・マリノス サポートスタッフ」と「日産スタジアムボランティア」の2つで、合わせて約120名となる。ちなみに日産スタジアム関係者によると、「日産スタジアムボランティア」の登録者数は約230名いて、ホームゲーム開催時には100~120名のボランティアが活動を行うそうだ。多くの方のサポートがあって初めて試合が行われるのだと改めて実感した。
観客席に座って全体朝礼の開始を待つ
全体朝礼では、まず大型ビジョンに横浜F・マリノスのフィロソフィームービーが映し出された。このムービーでは、チームが大切にしている「セーフティー」「フェアプレー」「チームワーク」の3つの姿勢が解説される。
スタジアムに遊びに来た方と一番身近に接するのは、ボランティアをはじめとした現場で働くスタッフである。そのため毎試合、フィロソフィームービーでビジョンを共有し、遊びに来た方々が、かけがえのない時間を過ごせるように全員で取り組んでいるのだ。
スタッフ全員が行動指針の書かれたクレドカードを携帯している
全体朝礼は15分程度で終了。いよいよ各自が現場に着いて業務を始めることになる。
横浜F・マリノス サポートスタッフ以外の方も現場での業務開始
スタジアムには本当にたくさんのスタッフの方がいる
横浜F・マリノス サポートスタッフの方もトリコロールランドに向かい、それぞれ準備に取り掛かった。
トリコロールランドで行う4つの業務≫
ライター:三輪 大輔 (2015/06/09)
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引用元:http://hamarepo.com/story.php?story_id=4202
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